会場は「ハ-モニ-ハウス」。エロイ-ズ・カンニグハムというアメリカ人の女性が青少年の音楽教育のために私財を投じ、1983年に建てられた音楽ホ-ル兼合宿所で、設計は建築家の吉村順三です。
「日本の建築では、建物の内部と外部とは、一体のものとして考えられてきた。ということは、室内と庭との間に自由な交流があることである。季節の移り変りは室内に反映して、そのときどきの気分が生れ、室内は室内で、自由な使い方によって、おどろくほど効果的なふんいきが生れる。そこに大らかな気分が生れ、西洋建築にみるような、堅い建物の中の生活ではなくなるのである。」(「建築は詩 建築家 吉村順三のことば100」より)
本質を捉えたシンプルで大きな表現。質素な材料で、無駄な装飾のないデザイン。豪華ではないけど品が良く、建物の外に中に豊かな空間が広がっていました。
Vl.佐原敦子、Vla.加藤大輔、Vc.夏秋裕一、Cb.佐々木大輔、Pf.斎藤龍
木々の緑、鳥のさえずり、時々窓から入ってくる気持ちの良い風…五感に働きかけてくる自然を感じながら、シュ-ベルトの「鱒」を聴きました。
一番前列に座ったので、奏者同士のやりとりを間近で見ることができ、まるで自分も演奏に参加しているみたいに集中しました。残響は少ないですが、それぞれの楽器の音がよく聴こえ自然な響きを楽しみました。迫力のある素晴らしいアンサンブル!!音楽と建物との一体感も味わいました。
一昨年に立ち上げたばかりというこの音楽祭、100人近い人が集まり運営側も演奏家の方々もいろいろ気が揉めて大変だったことと思いますが…演奏が素晴らしく十分満足できるものであれば、お客さんは嬉しく幸せな気持ちになり、吉村さんのことばの通り「大らかな気分」が生れますので、ご心配なく。
また来年も聴きに行きたいと思います♪♪
建物内にあるエロイ-ズ・カフェ。外のテ-ブルでひと休み。 軽井沢にしては暑い日でした… |
傾斜地に建つハ-モニ-ハウス。 中2階が音楽ホ-ル。ホ-ルの脇を通って階段を降りるとカフェの入口があります。 お茶を飲みながらリハ-サルを聴く。贅沢! |
ホ-ルの天井は米松の梁に合板。壁は漆喰、床は絨毯。 |
ピアノは国産のBELTON。珍しいですね。 客席から木々の緑が見え、目を楽しませてくれます。 |
庭に出てみました。1階がエロイ-ズ・カフェ。 天井が低く落ち着く空間でした。 桂の大木がすごい! |
ホ-ル脇のスロ-プから2階に上がり、ホ-ルを見渡す。 |
2階から見る外の景色は圧巻でした! 建築の醍醐味です。 |